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歩行障害の6つの種類!【原因や病気の可能性を徹底解説!】

<監修柔道整復師 りんご>
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人にはそれぞれ、歩くときのクセがあります。しかし中には、どうにも歩きにくい、という人もいますよね。それはもしかしたら歩行障害が原因かも知れません。

今回は歩行障害の種類とその原因、病気の可能性についても徹底解説いたします。

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歩行障害とはどんな状態?

 

歩行障害とは、「歩きにくさ」を感じる以外にも、そもそも「歩くことができない」という状態も指します。なぜ歩きにくいのか、その原因は足だけに止まらず、脳や脊髄、その他に負った外傷など様々な原因が考えられます。

「歩く」という行為は、足の筋肉だけで行うのではなく、足が動くように命令を下す脳の働き、命令を伝達する神経の働きの影響下にあります。

 

特に脳の機序は複雑で、脳内出血などの明らかな疾患以外にも強く揺らすだけで正常な機能に支障が出る場合もあります。また視覚から歩き方に関する情報を得るので、視覚に問題が生じても歩行障害が発生します。

 

人によっては病気が原因ではなく、生まれつき歩行障害を抱えている人もいます。原因によって足以外の特徴的な症状の観察項目も異なりますので、症状についてご紹介します。

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歩行障害の6つの種類

 

痙性歩行

下半身の筋肉が突っ張るため、足が棒のようになりスムーズに歩けない状態です。そのため、突っ張ったままの足を避けるために、片方の足を大きく振り回して歩く(ぶん回し歩行)クセがつきます。また内股気味になり、歩幅も狭くなります。

 

失調性歩行

お酒に酔ったときのような、よろよろと不安定な歩き方になります。足下を視覚で確認しながら歩くと安定するため、足下を見ながら歩くと踵を打ち鳴らすような歩き方(踵打歩行)になることもあります。

 

動揺性歩行

別名「アヒル歩行」とも呼ばれ、腰を左右に揺らしながら背を反り気味にして歩きます。神経や筋の疾患(筋ジストロフィー症など)が原因で、太ももの筋力が萎縮するためです。

 

間欠性跛行(かんけつせいはこう)

一定の感覚ではなく、まちまちの歩幅で歩きます。神経の問題を抱えていることが多く、しびれや痛みを足に感じることもあります。しばらく休むとまた歩くことは出来ますが、あまり長い距離は歩けません。

【関連記事】
間欠性跛行とは?2つの原因も分かりやすく解説!

 

小刻み歩行

前かがみになって歩きます。また一歩が小さく腕の振りもないため、小刻みにすり足で動いているように見えます。また前屈みになるせいで視界が足下だけになり、不安定な歩き方になります。

 

その他にも突発的な歩き方になったり、ぴたりと足を踏み出すことができないすくみ足の症状も出ます。主にパーキンソン病患者に見られる歩き方です。そのため別名「パーキンソン歩き」とも呼ばれます。

 

心因性歩行障害

外的な要因は全く見当たらないのに歩行障害を訴える人もいます。もしかしたらそれは、心因性の原因があるかもしれません。

不安やストレス・鬱など、心理的な負担により運動障害などが引き起こされる可能性は十分にあります。歩行に障害を感じるのに外的な要因が見つからなかった場合は、アプローチを変えて心療内科などを受診してみるのも手です。

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歩行障害の原因となる病気

 

生まれつきの歩行障害ではなく、ある日突然歩行障害が出た場合は外傷(骨折など)病気の疑いがあります。病気ごとに、歩行障害の特徴もありますので代表的なものをご紹介します。

病院で医師の診断を受ける際に、普段の患者の様子を伝えることは有用ですので、必ず伝えるようにしましょう。

 

脳に関わる病気

【脊髄小脳変性症】

小脳及び脳幹・脊髄の神経細胞が壊死する病気です。患者のうち3割が遺伝的な問題を抱えているとされますが、はっきりとした原因はまだ分かっていません。

比較的若いうちに発症し、10年、20年とゆっくりと時間をかけて病状が進行します。

【関連記事】
脊髄小脳変性症の特徴的な症状【リハビリ方法や寿命などを解説】

 

【脳卒中】

脳内にある血管が破れたり詰まったりする病気です。一口に脳卒中と呼んでも様々な種類が有り、症状によって名称が異なります。

脳の中で血管が破れる「脳出血」、脳の表面でこぶ上の動脈が破裂する「くも膜下出血」、脳の血管が詰まり、必要な酸素や栄養不足で陥る「脳梗塞」です。

 

いずれも一命を取り留めたとしても、後遺症として歩行障害などの運動障害や言語障害が残るのが特徴です。突然発症する人もいれば、兆候らしきものが現れる人もいます。

脳卒中の兆候としては突発的な高熱、耐えがたい嘔吐感、視界が揺れる、唐突な歩行障害が挙げられます。

 

【多系統萎縮症】

小脳もしくは脳幹が萎縮する病気です。原因は不明で難病指定を受けており、40歳以降に発症する場合が殆どです。

症状はパーキンソン病に似ており、歩行障害の他に筋肉の硬直や血圧の制御困難などが発生します。

 

【ウェルニッケ脳症】

ビタミンB1の欠乏により起きる病気です。アルコールの飲み過ぎや妊娠中の妊婦も発症することがあります。脳の働きに障害が出るため、言語障害や眼球運動の障害、運動障害が起き失調性歩行の症状をあらわします。

 

神経に関わる病気

【閉塞性動脈硬化症】

下肢の大血管に慢性的な閉塞が生じる病気です。血管が狭くなると流れる血液の量も少なくなるため、酸素が十分に末端まで供給されず歩行困難が生じます。

 

【腰部脊柱管狭窄症】(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)

骨・関節・椎間板・靭帯に異常が起き、神経が圧迫される病気です。中でも首の骨が異様にまっすぐ(通常、首の骨は緩やかなカーブを描いている)な場合を「ストレートネック」と呼びます。

 

首と足には一見何の関連性もなさそうですが、首のバランスを取ろうとして歩き方がおかしくなり、歩行障害を発症する可能性もあります。

ただの肩こりとストレートネック由来の歩行障害を鑑別するポイントは「歩行すると足ががくがく震える」「手や指先が滑らかに動かない」「排尿や排便がうまくいかない」です。

 

【後縦靭帯骨化症】

脊柱の中を走っている後縦靱帯が骨に変化し、神経を圧迫する病気です。神経が圧迫されたために、感覚神経や運動神経に障害が出ます。

 

どの部分が骨化するかによって微妙に名称が変化します。「黄色靭帯骨化症」の場合は胸椎に近い部分が骨化するため、手に痺れや震えがでますが、足の症状は殆ど出ません。

 

筋肉に関わる病気

【パーキンソン病】

原因は不明ですが、手足の痺れや筋肉の萎縮、歩行困難などの運動障害が起きる病気です。また小股になり、前にも後ろにも突進する場合があります。

50代、60代で発症する確率の高い病気です。アルツハイマーなどの認知症を患った際にも、パーキンソン病に見られる歩行障害を引き起こすことがあります。

 

その他の原因

【足の変形】

関節リウマチや先天性内反足、外反母趾などの足の変形により、歩行困難になります。

関節リウマチとは関節に炎症が起き、軟骨や骨が破壊される病気です。そのため手足を自由に動かせなくなり、身体が動くたびに痛みを感じます。

 

先天性内反足とは、生まれつき足が内側に向かって反っている疾患です。

外反母趾とは、親指が小指側に向かって大きく反る症状です。こちらは先天性内反足とは異なり、足のサイズに合わない靴をはき続けたり歩き方に妙なクセが付いた場合に足が変形していく疾患です。

外反母趾の治し方についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
外反母趾の治し方全集!【簡単に出来る裏技とは?】

 

また足首より先だけの問題ではなく、股関節の軟骨が変形してすり減る「変形性股関節症」も歩行に障害が出る病気です。これは加齢に伴い、誰もが可能性のある病気です。

 

【外傷】

骨折の他、頭部やその他の部位を強く打ち付けるなどの怪我を負った場合、歩行障害が出ることがあります。

出血を伴うような派手な怪我ではなくても、脳の場合は強く打ち付けるだけでどんな疾患が出るのか予測も付かないので注意が必要です。

また運動のしすぎ運動不足も同様に歩行障害の可能性があります。適度な運動を行わないと、正常な歩行機能が損なわれます。

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リハビリで回復を目指そう

 

歩行障害は、原因となる病気によってはリハビリテーションを行うことで歩くことが出来ます。リハビリテーションとは、何らかの理由で一度失われた日常動作を、練習を通して再獲得するための訓練です。

 

原因となる病気や年齢など、人に合わせた看護計画が重要になります。メニュー作りは看護師や理学療法士のほか、ケアマネージャーも提案が出来ます。

 

歩行訓練は介護保険も活用できますので、まずは病気で入院している間に、医療関係者に家族がリハビリについて相談するといいでしょう。主なリハビリにはどんなものがあるのかご紹介します。

 

とりあえずベッドから起きる

脳や神経の病気の場合、治療のために手術を受けるケースが多いです。手術後はなかなかベッドから起きることは出来ませんが、まずはベッドから起き上がり自力でトイレに行くなど身体を動かすことから始めます

いつまでも寝たきりだと筋力低下をまねき、リハビリにも取り組めなくなります。車いすを使うところからで構いませんので、ベッドから離れてみましょう。

 

自分のことは自分でする

歩く訓練のを行う前に、日常動作をできるだけ自分の意志で行います。食事や排泄、着替えなど、まずは何でもチャレンジします。

そのためにも、自分の足に合った靴選びや着脱しやすい衣服の準備、杖などの歩行補助具や器具など、自分に合った道具を手に入れることも重要です。

リハビリテーションのメニューが人によって千差万別なように、自分に合った補助道具も人それぞれです。まずは自分で試してみて、使いやすい道具を探し出しましょう。

 

重心移動訓練

ただ単に歩くだけではなく、四つん這いや膝立ちなどの体位をとり、バランスを取る訓練を行います。歩行訓練はただ単に筋肉を鍛えるのみではなく、全体のバランスを取り戻す訓練も重要です。

 

歩行障害の種類を中心に、原因や病気の可能性を解説しました。外傷の他に様々な病気が原因としてあげられますが、まずは治療を受け、手術後はリハビリテーションに励むことが重要です。

 

長い時間がかかる場合もありますが、こつこつと訓練を積み重ねることで、もう一度自分の身体を自分で動かすことが出来ます。介護保険やケアマネなどを活用しながら、根気よくリハビリと向き合っていきましょう。

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